人間がコンピュータに支配されるとき

タイトルはちょっとつりっぽいですが…

飲み会をどう開く?

飲み会の幹事になった場合、みなさんどうするでしょうか?

私であれば、大体以下にようになります。

  • 大体の場所を決める
  • ぐるナビ(食べログ)でお店を調べる
  • スケジュール調整用サービスでスケジュールを作成
  • スケジュール調整用サービスを参加者にメールする

多少の順番の前後はありますが、大体こんな感じです。

上の工程で、間にコンピュータが挟まれないのは、場所決めくらいでしょうか。

インターネットのない時代であれば、お勧めのお店を友達や上司に聞いたり、もしくは自分で行ったことのあるお勧めのお店をチョイスしたりということが多かったかもしれません。

サポートから決定へ

上の飲み会の例では、提供されているサービスを使用して、最後には幹事(人間)が決定するというプロセスになります。

意思決定をすべて人間がやっているように見えますが、このような状況でも既に意思決定を捻じ曲げることが可能です。

情報検索サイトの情報にコンピュータが手心を加えてない、と信頼できるでしょうか?

Googleは事あるごとに検索結果に手心を加えていると指摘されています。中国で検索結果をフィルタリングしていたことがあるようですので、日本でもしていないとは言い切れません。

Googleが本当にそんなことをしているのかは別として、この場合は、まだある特定の人間が自分の利益になるようにプログラミングしているという点では人間が人間を支配しているといって良いかもしれませんが。

現状、ほとんどのコンピュータは人間の意思決定のサポートに留まっています。SIerでは最近流行の、BIと言われる情報分析ツールも意思決定のサポートという形で会社の意思決定に食い込んできています。

便利と怖さの境界

そんなに遠くない将来、飲み会に参加するメンバーがどこかのサービスでスケジュールを管理していれば、上記の飲み会の例は以下のようになります。

  • コンピュータに食べたいものを入力する
  • 日時の範囲を指定する

ひょっとすると、飲み会を開きたいと入力するだけかもしれませんが・・・

コンピュータが飲み会に参加するメンバーが一番多く集まれる日程を調整し、そのときメンバーがどこにいるのかから、全員がそれなりに近い場所でお勧めの店を決定し、決定事項をメールで送信する。

このようになると人間の決定権は、飲み会を開くか開かないかだけです。現状、理論的にはここまでなら問題なくできるはずです。

例が飲み会の開催なのでたいして怖くありませんが、やることを登録しておいたら、コンピュータが起床時間から電車の移動から何からすべて指示してくれるようになったらどうでしょうか?

私はいやですね、そんな世界。適当に起きたいし、どこかに行くついでに気になったお店でラーメンを食べたいし、友達との約束もばっくれたくなったら、体調が悪いと嘘を言って断りたいです。


生命科学では倫理の問題がつきまといますが、コンピュータの世界にも倫理の問題が絡んでくることが多くなってくると思います。

最後に、最近、GPSでそこらへんの倫理の問題が話題になっているのでリンクをあげておきます。
http://ipodtouchlab.com/2011/04/iphone-consolidateddb.html
http://jp.techcrunch.com/archives/20110422google-responds-to-smartphone-location-tracking-uproar-says-android-is-opt-in/