向上心のない人が残るSIerという業種

ここでいうSIerはいわゆるBtoBで、1次請けの案件が売り上げの多くを占める企業という前提にしたい。なぜかと言うと、2次請け、3次請けの会社はどちらかと言うと、自分の感覚だと、SEといよりはPGに近い職種になってしまうから。

SIerと残業

世の中のSIerのイメージは、やたらと残業だらけで徹夜をするという印象を持っている人が多いかもしれない。その通りだ。

一部のSIerでは残業するのが当たり前となっている。悪しき習慣だ。

SIerで働いている人の多くが、「残業するのは仕方ない」と思っているが、ただ、そんなSIerの中で働いている人でも、残業をものすごく毛嫌いしている一部の人達がいる。

どんな人達か?向上心のやたらと強い人達だ。自分の周りだと、特にITスキルに対して貪欲な人達。

彼らは、仕事を時間内に片付けられないのは、その人の能力不足だと考え、かっこ悪いことだと思っている。そのため、自分の仕事に関しても時間内に終わるようにスキルを磨く。そもそも、彼らは平日でも社外でOSSの勉強会などに行くので、残業などもってのほかなのだ。

その一方で問題なのは「時間がかかってもいいから、終わればいいや」と考えてる人だ。

この層の人は「残業するのは仕方ない」と思っているので、時間内に仕事が終わるように、仕事以外で自分のスキルを磨こうとはしない。

はっきり言って、ITスキルを必要とする仕事で、ずっと一線で活躍をし続けるには、仕事だけからのスキル習得では到底無理だ。IT分野は日進月歩で、これを業務だけで追い続けるのは不可能な話なのだ。

どちらかというと、「残業するのは仕方がない」と思っている人のほうがかなり多いように思う。

確かに、「残業するのは仕方がない」というシチュエーションは存在するが、残業が常態化してしまうのは大きな問題だ。

向上心の強い人はSIerに残らない

自分の見てきた中だと、そういった向上心の強い人達は遅かれ早かれSIerを辞めていく。

そう、結局、「残業するのは仕方ない」と思っている人達が残るので、SIerから残業はなくならない。

はっきり言って、自分が見てきた中だと、お偉いさんたちは「残業をなくそう(少なくしよう)」とか言うけど、具体的な手は何もうたないし、たぶん、本気でなくそうとは思っていないと思う。

ただ、今まではそれでよかったかもしれないが、ここ数年の人間の質の変化と、社会の変化が大きいので、「残業するのは仕方ない」という文化を持ったSIerという業界は変わらないと廃れる一方になるだろう・・・