スピード感

自分への戒めをこめて・・・

開発時のスピードとは?

ネットの求人を見ていると、ベンチャー系の企業ではやたらと「スピード感をもって」という標語が多く使われているのに気づきます。


なぜか?10年前に比べて、作り方によっては同じものが半分以下の時間で作れるようになったり、すごく専門的な知識を必要としていたものが、それほど多くの専門知識を必要とすることなく作れるようになってきたというのがあって、アイデアが出てきてから、そのアイデアを形にするまでの時間が勝負になっているというのがひとつの要因でしょう。


ただ、この「スピード感」という言葉には騙されていけないところがあります。スピード感の定義には簡単に考えて以下の二つがあって、それぞれの企業がどっちのことを言っているのか分からないと大変なことになりかねないからです・・・

  • 開発人数 × 開発時間
  • 開発人数 × 開発日数

ぱっと見では、そんなに違いがないように見えますが、大きな違いがあります。たとえば5日間で同じものを作ろうとした場合以下のような違いが出ます。

定義 人数 平均業務時間 日数 トータルコスト
開発人数 × 開発時間 2 8 5 80
開発人数 × 開発日数 2 12 5 120

開発を依頼したほうからすれば、5日間で物が出来上がってくるという点で何も違いはありませんが、開発しているほうからすれば見え方がまったく違います。


社内でコスト計算する場合は、たいてい「開発人数 × 開発時間」を使いますが、なぜか、外へアピールするときは「開発日数が短い=スピード感がある」といって、裏の激務を隠します。


色んな話を聞きますが、ベンチャー系の場合は多くが「開発人数 × 開発日数」を「スピード感」と言うことが多いので、激務をしたくない人には注意が必要です。


ただ、IT系の企業に関しては、ベンチャー系のほうが技術力が高いということもおうおうにしてあるので、そのあたりも注意が必要ですね。